キャンピングカーは、車内でいかに快適に過ごすかが満足度のポイントになります。しかし、限られたスペースで内装を設けるため、基本的な知識を押さえておかなければ購入やレンタルした後に後悔することも少なくありません。
この記事では、キャンピングカーの主な種類別内装の特徴を解説します。キャンピングカー選びの参考にしてください。
主なキャンピングカーの内装
キャンピングカーは種類(大きさ)によって装備が異なります。人気のあるキャブコンバージョン、バンコンバージョン、軽キャンパーの基本的な内装を紹介します。
キャブコンバージョン
キャブコンバージョンはトラックの荷台に居住スペースを設けたタイプです。高さと広さを兼ね備えており、6人程度の就寝ができるような作り込みをするのが一般的です。
【バンクベッド】
バンクベッドは運転席の上にベッドを設けるものです。引き出しのようになっており、就寝時はそれを伸ばして使います。
走行中の使用はできません。
【ダイネット(フロアベッド)】
ダイネットはソファのように配置されたイスのことです。移動中はこの場所で過ごし、就寝時はテーブルを格納してイスをベッドに変形させます。
【リアベッド】
常設の就寝スペースです。2段になっていることがほとんどで、手間をかけずに眠ることができます。
走行時はベッドになっていない車もあり、就寝時はイスなどの部品を使って組み立てるタイプもあります。
【エアコン】
家庭用AC100Vや、車載用DC12Vなど、様々なタイプがあります。室内機と室外機が一体型のものと、分かれているものもあります。家庭用AC100Vで、室外機を外に置くものはパワフルで快適ですが、装着スペースと電源の確保が必要です。
家庭用の家電を使う場合、インバーターで直流を交流に変換しなければなりません。サブバッテリーを搭載する場合は、ソーラー型の充電パネルを設置すべきでしょう。
【水回り】
車の中で手洗いや歯磨き、食器洗いなどを行いたい場合、給排水システムを備えると便利です。10~20リットル程度の水をタンクに入れ、ポンプで組み上げる方式が一般的です。
衛生管理が必要で、贅沢に水が使用できるわけでもありません。水回りの設備が必要かどうかは、検討すべき項目の一つでしょう。
バンコンバージョン
バンコンバージョンは居住スペースが限られているため、設備を絞り込むことが重要です。目的に応じてカスタマイズするため、キャブコンバージョンのように基本的な構成というものがありません。
走行時はソファにし、就寝時はベッドにするパターンが一般的です。組み立て式の2段ベッドで、就寝スペースを広げるタイプもあります。
ベース車がハイエーススーパーロングのような大型ものであれば、水回りや冷蔵庫などを設置することができます。
バンコンバージョンでもエアコンを設置しているケースも多く、室外機が小型のセパレート型も販売されています。快適さを考えるとエアコンの設置は必要ですが、装備にお金がかかることや、設備やバッテリーで車体が重くなるというデメリットがあります。
軽キャンパー
軽キャンパーはバンコンバージョンよりもシンプルに作り込む必要があります。
走行時はソファ、就寝時はベッドにするパターンが一般的です。2段ベッドにするケースはあまりありませんが、ポップアップルーフ型にすれば、上部での就寝も可能です。
シンクや冷蔵庫の設置もでき、軽とはいえキャンピングカーとしての楽しさは十分に提供してくれます。
快適に過ごす設備の紹介
キャンピングカーの配置を考える際は、どのような設備があるのかを押さえることが重要です。
ベッド
ベッドはキャンピングカーで最重要の設備。工夫次第で就寝人数を増やすことができます。
常設リア2段ベッド
キャブコンバージョンの後部に設置します。サイズが大きく、マットに厚みがあるためにストレスなく眠ることができます。走行時は収納などとして使うことができます。
バンクベッド
運転席の上部に設置するベッドです。引き出す機能をつければ、3人程度は眠ることができます。
このスペースも走行時は収納などとして活躍します。
ハイマウントベッド
ハイマウントベッドは、高い場所に備え付けたベッドのことです。組み立て型と常設型があります。
ベッドの下のスペースを家具や居住スペースなどとして使えるメリットがあります。常設の場合はスペースが限定されるというデメリットがあります。マットの厚みも限られてしまうため、寝心地はあまり良くないかもしれません。
子供をハイマウントベッドに寝かせた後、下のスペースでゆったりと過ごすといった使い方ができます。
フロアベッド
イスなどとして使っていたスペースをベッドにすることです。キャンピングカーの基本的なスタイルで、キャブコンバーションから軽キャンパーまで幅広く活用されています。
2段ベッドにすれば、そのスペースだけで4~5人程度就寝できます。
ルーフベッド
ポップアップルーフを設けて、就寝スペースを確保するベッドです。
ポップアップルーフは必要・不必要で意見が真っ二つに割れます。目的に応じて設けるべきでしょう。
メリットは天井が高くなって居住スペースが広げられることです。デメリットは費用がかかることや、強風時の破損、強い雨や雪による浸水、カビなどの汚れが挙げられます。
プルダウンベッド
ベッドを引き下ろしてセットするのが、プルダウンベッドです。キャブコンバージョンで使われることが多く、バンク部分の張り出しを小さくして空気抵抗を減らそうとの考え方から、プルダウンベッドが注目されるようになりました。
簡単にベッドを組み立てることができます。
キッチン
キッチンをどこまで充実させるかは、キャンピングカーの内装を考える上で重要です。
シンク・コンロ
シンクは20リットル程度までのタンクを積み、ポンプで汲み上げます。給排水を自分で行うのは手間がかかり、面倒になって使わなくなったという人は少なくありません。
衛生管理も重要で、タンクに水を入れたままにしておくと、特に夏場はすぐに雑菌が繁殖します。食器の汚れを洗い流した後の排水は、自宅やダンプステーションで処理してください。
本格的なキャンピングカーの場合、車体に直接給水できるタイプもあります。
コンロや常設型、着脱型の2つがあります。カセットガス方式であれば、燃料を簡単に調達することができます。グレードの高い海外のキャンピングカーは、プロパンガスを使用するものがあります。
プロパンガスは火力が強く、使いやすい一方で、空になったらガス会社に充填してもらわなければなりません。
最近はコンロではなく、電子レンジで簡単に調理するという人も多く見かけるようになりました。
冷蔵庫
冷蔵庫は食材や飲み物を運ぶのに便利で、設置する人は多くいます。ただし、設置スペースが必要で、費用が高額になるというデメリットがあります。
冷却方式はコンプレッサー式とペルチェ式があり、コンプレッサー式の方が冷却性能が高いと言われています。
水回り
シンク以外にも、タンクを積んでシャワーやトイレを設置するケースがあります。
シャワー
海水浴をした後や、浴場のない場所でのキャンプにシャワーがあると便利です。温水機能がついているものが多く、快適に使えるでしょう。
ただし、ボイラーの石灰成分が固まらないよう、普段は水を完全に抜いておくなど、メンテナンスを怠ると故障してしまいます。
最近はコンパクト型のキャンピングカーが主流になっているため、あまり設置されなくなりました。
トイレ
トイレは床下に汚水をためるブラックタンク式、汚水タンクが簡単に取り外せるカセット式、簡易型のポータブル式の3つがあります。
ブラックタンク式はダンプステーションで汚水を処理し、カセット式は外から汚水タンクを引き出します。ポータブル式はトイレ内の汚物を廃棄します。
タンク
タンクは20リットル程度までのものが一般的です。
タンクの給水はキャンプ場やRVパーク、ガソリンスタンドなどで行います。排水は決められた場所で行いましょう。
東京近郊の主なキャンピングカーレンタルサービス
キャンピングカーの内装に迷っているのであれば、レンタルで使用感を確かめるのが一番です。東京エリアでレンタルができる主なサービスを紹介します。
CAMPeek
CAMPeekは海外の高級車やスポーツカー、旧車、プレミアムカーなどを取り扱う東京ユーポスが運営しているレンタルサービスです。
トヨタカムロードをベース車とした、2023年式の新しいWOHN(ヴォーン)R2Bの貸し出しを行っています。キャンピングカーのキャブコンバージョンとしては、最上級の装備だと言えるでしょう。
ダイネットベッド、2段ベッド、家庭用エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、カセットコンロ、AC100V外部電源を備えています。自然の中にいながら、快適に過ごすことができます。
高級車を扱う会社が運営しているため、クリーニング技術は完璧。レンタカーはニオイや汚れが気になりますが、CAMPeekのレンタカーはクリーニングが行き届いています。
料金は平日1日22,000円から。週末でも30,800円でレンタルできます。
CAMPeek
レンタルキャンピングカーネット
国内外でキャンピングカーをレンタルできるショップを紹介しているポータルサイトです。
掲載されているショップの数が多く、キャンピングカーの種類や借りられる場所を絞って探すことができます。
ただし、このサイトから直接予約を入れることはできません。
東京キャンピングカーゲート
東京発着のキャンピングカーレンタルサービスです。電話やメールで予約を行うことができ、旅のプランを相談することが可能です。
キャブコンバージョンや軽コンバージョンのキャンピングカーをレンタルすることができます。価格は1日2万円から3万円程度です。
練馬と東墨田に拠点があります。
旅のプランの相談は無料で行ってくれます。どのような旅行をするべきか、イメージが沸かない人に向いているサービスだと言えるでしょう。
ロードクルーズ
ロードクルーズは、シェアリング型のレンタルサービスです。キャンピングカーを所有する人と、借りたい人とを繋ぐサイトです。
すべての手続きを無人で行うため、24時間いつでも借りることができます。基本的にはキャンピングカーを置いている場所に、乗用車を駐車することができます。
ただし、初回登録時には本人確認などの手続きが発生するため、3日程度の時間がかかります。登録してすぐに借りられるわけではないので、注意しましょう。
いつでも借りられるなどのメリットが高いシェアリング型のサービスですが、オーナーによって車の状態にはバラつきがあります。ニオイや汚れが気になる車両もあるので、慎重に選んでください。
キャンピングカーの内装は利用目的を明確にして選ぼう
キャンピングカーの内装は、使用目的ですべてが決まります。どのくらいの人数で過ごしたいのか、車内でどのように過ごしたいのか、旅そのものの目的など、イメージを固めてから決めましょう。
足立区のレンタルキャンピングカー専門店「CAMPeek」では、キャブコンバージョンタイプのキャンピングカーを中心にレンタルを行っています。
料金や予約状況をWebサイトで簡単に確かめることができます。